明治36年(1903)の創業以来、京都・上京の地で京雛ひとすじに歩んでまいりました。
百二十年を超えるその歩みのなかで、当店のお雛様は海を越え、ベルギー王室・タイ王室・英国王室へご献上する栄誉に浴してまいりました。
また、初代・二代目・三代目それぞれが国より褒章・勲章を賜っております。このページでは、世界に選ばれた雛人形の歩みをご紹介いたします。

ベルギー王室におひなさまご献上 ― 日本・ベルギー友好150周年(2016年)

日本とベルギーは、慶応2年(1866)の修好通商航海条約の締結から数えて、平成28年(2016)に友好150周年という記念の年を迎えました。この節目の年に、ベルギー王室の特例として、日本の雛人形をご献上することが認められました。

2016年3月7日、ブリュッセルの王宮において献上式がとりおこなわれ、三代目 安藤桂甫がマチルド王妃陛下に、雛人形とその衣装の由来をご説明申し上げ、王妃陛下からの多くのご質問にお答えいたしました。国王御一家への親王飾りに加え、衣装の異なる親王飾りをアストリッド王女御一家にもご献上いたしました。

ブリュッセルの王宮にて、献上した親王飾りとともに記念撮影。マチルド王妃陛下と三代目安藤桂甫夫妻
ブリュッセルの王宮にて。マチルド王妃陛下とご一緒に(©Koninklijk Paleis/Palais Royal)

この献上式の様子は、日本・ベルギー友好150周年の公式記念写真集『150 Years of Friendship between Japan and Belgium 1866-2016』(日本・ベルギー友好150周年写真集)にも「Presenting Hina Dolls to the Royal Family」として収められています。

記念写真集に掲載された献上式のページ「Presenting Hina Dolls to the Royal Family」
写真集に掲載された献上式のページ
日本・ベルギー友好150周年写真集『150 Years of Friendship between Japan and Belgium 1866-2016』の表紙
『150 Years of Friendship between Japan and Belgium 1866-2016』

タイ王室におひなさまご献上 ― 日タイ修好120周年(2007年)

平成19年(2007)は、日本とタイの修好120周年、そしてプミポン国王(ラーマ9世)陛下の御生誕80年という、二重のお祝いの年でした。この記念に、タイから贈られたタイシルクと京都・西陣織の正絹を組み合わせた特別なお雛様(京雛)と白拍子人形を制作いたしました。

2007年6月15日、バンコクのチットラダー宮殿において、国王陛下の御名代であられるシリントーン王女殿下にご献上申し上げました。

チットラダー宮殿での献上式。シリントーン王女殿下にお雛様をご献上する三代目安藤桂甫
チットラダー宮殿にて、シリントーン王女殿下へのご献上

後日、タイ王室事務局より感謝状とお写真を賜りました。これはタイでもめったに与えられることのない栄誉とうかがっております。感謝状は今も店の宝として大切に飾らせていただいております。

タイ王室への献上式の記念写真の数々
献上式の記念写真
タイ王室事務局より賜った感謝状
タイ王室事務局より賜った感謝状

シャーロット王女様ご誕生のお祝いに(2015年)

平成27年(2015)3月、英国のウィリアム王子が来日され、東日本大震災の被災地である宮城県石巻市・女川町を訪問されました。同年5月2日にはシャーロット王女がご誕生。王子の被災地訪問への感謝と王女ご誕生のお祝いの気持ちを込めて、石巻・女川の皆様一同より、桂甫作の京雛「雛人形親王 壱式」が英国王室へ献上されました(平成27年6月11日)。

被災地の皆様のお心を、京都の雛人形が英国王室へお届けするお手伝いができましたことは、当店にとって何よりの誉れでございます。

シャーロット王女ご誕生祝いとして石巻・女川一同より英国王室へ献上された京雛親王飾りと献上目録
献上された親王飾りと目録「シャーロット王女のご誕生の御祝としてご献上致します 平成二十七年六月十一日 石巻 女川一同」

2025大阪・関西万博に出展・実演・講演

令和7年(2025)、大阪・夢洲で開催された大阪・関西万博(会期:4月13日~10月13日)。世界中から人々が集うこの祭典で、当店は関西パビリオン「京都ゾーン」に出展の機会をいただきました。

大阪・関西万博 関西パビリオンの外観
関西パビリオン
大阪・関西万博のシンボル、大屋根リング
万博のシンボル・大屋根リング

会場では、三代目桂甫が雛人形の着付の実演と講演を行い、京人形「虹」や親王飾りなどの作品を展示いたしました。国内外から訪れた大勢のお客様に、京雛づくりの技と心に触れていただく、たいへん貴重な機会となりました。

関西パビリオン京都ゾーンで雛人形の着付実演を行う三代目安藤桂甫と、見守る大勢の来場者
大勢の来場者が見守るなか、着付の実演を行う三代目桂甫
万博会場に展示された京人形「虹」と親王飾り
会場に展示した京人形「虹」と親王飾り
実演・講演に集まった大勢の来場者でにぎわう会場
会場は大勢のお客様でにぎわいました

三代にわたる栄誉 ― 紺綬褒章・黄綬褒章・瑞宝単光章

王室へのご献上とともに、当店では初代・二代目・三代目のそれぞれが、国より褒章・勲章を賜っております。

紺綬褒章 ― 初代 安藤桂藏(昭和40年)

初代・安藤桂藏は、明治38年より有職雛人形の創作と普及に努めてまいりました。昭和39年2月、京都市の社会福祉施設へ雛人形を寄付した篤志により、昭和40年12月15日、紺綬褒章を賜りました。

初代・安藤桂藏が賜った紺綬褒章の褒章の記(昭和40年12月15日)
紺綬褒章の「褒章の記」(昭和40年12月15日)

黄綬褒章 ― 二代目 安藤忠男(平成19年)

大正13年生まれの二代目・安藤忠男は、京都府伝統産業優秀技術者(昭和62年)、厚生労働大臣表彰「現代の名工」卓越技能者(平成12年)などの栄に浴し、平成19年春の褒章において、多年にわたり雛人形着付師として職務に精励した功績により黄綬褒章を授与されました(平成19年4月29日発令)。同年5月16日には皇居にて拝受いたしました。雛人形着付師としての黄綬褒章受章は、日本でただ一人のことでございます。

二代目・安藤忠男が授与された黄綬褒章の褒章の記(平成19年4月29日)
黄綬褒章の「褒章の記」(平成19年4月29日)

瑞宝単光章 ― 三代目 安藤桂甫(令和2年)

現当主・三代目安藤桂甫(本名・忠彦)は、伝統工芸士(平成元年)、「京の名工」京都府伝統産業優秀技術者(平成22年)に認定され、令和2年秋の叙勲において、永年にわたる伝統技能の精励が認められ、瑞宝単光章を拝受いたしました(令和2年11月3日)。

三代目・安藤桂甫(忠彦)が拝受した瑞宝単光章の勲記(令和2年11月3日)
瑞宝単光章の勲記(令和2年11月3日)

これからも、一体一体、心を込めて

明治・大正・昭和・平成・令和と五つの時代にわたり、京雛の伝統を守り続けてこられましたのは、ひとえにご愛顧くださる皆様のおかげでございます。

世界の王室に選ばれたお雛様と同じ技、同じ心で、これからも一体一体、丹精を込めてお作りしてまいります。店内には、これらのご献上のお写真や褒章・勲章も大切に飾っております。ご来店の折には、ぜひご覧くださいませ。

〒602-8034
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