「鶴と、雛と。」
広島の平和記念資料館(原爆資料館)を初めて訪れることができました。
5月にアメリカのオバマ大統領が広島を訪問された際、自ら折られた4羽の鶴が、自筆のメッセージとともに展示されています。被爆して白血病を発症、回復を信じて鶴を折りながら亡くなった、佐々木禎子さんにちなんでとのことです。
「早く病気が治りますように。」
「大願が成就しますように。」
鶴を折る人はみな、「祈り」を胸の内に持っています。
オバマ大統領は、「折る」と「祈る」がとても近いところにあることを、言葉や文化の違いを超えて、心の深いところで感じられたのではないかと思います。
お雛さまもまた、「祈り」そのものです。
「この子が健やかに育ち幸せになりますように。」
「つらいことがあっても、乗り越えて生涯、笑顔でいられますように。」
ご両親をはじめ、周囲のみなさまの切なる願い、あたたかい愛情をかたちにしたのがお雛さま。
お雛さまを前に、すべての女性がご家族と笑いあっていられることこそが「平和」にほかなりません。
禎子さんのお雛さまに、ふと思いを寄せてしまいます。